サーバーを「守る」
データセンターの電源設備

サーバーを「守る」
データセンターの電源設備

国内のデータセンター需要は、クラウドコンピューティングやICTシステム等の発達等、また老朽化による建替需要と重なり、施設需要が急速に高まっています。データセンターで重要なことは、確実且つ継続的なサービスを提供できること。データセンターの電源設備は「Tier」と呼ばれている基準に準じて構成され、電源設備の冗長化やバックアップ時間の設定により高品質・高信頼の設備が設置されています。これらの設備が確実に稼動することを確認するため、各設備ごとの負荷試験が必要となります。

電源設備の試験①自家用発電設備
データセンターにおける自家用発電設備は、72時間以上の長時間運転に備え、燃料の貯蔵量も大きくなります。東日本大震災以降、ガスタービン発電機の採用が増加しています。データセンターの大規模化、高密度化により多大な電力を使用するため、最近では大規模化が進んでいます。設置される自家発電設備は、工場出荷時にも工場試験として負荷試験を実施しますが、現地に据え付けた後、仕様通りの性能を発揮できるか負荷試験を実施します。一般的には、負荷特性試験、連続運転試験、調速試験を行いますが、連続運転試験では8時間以上実施することもあります。
自家用発電設備
電源設備の試験②UPS
停電時に、瞬時に電源を供給するUPSも、必要台数以上を設置します。UPSは自家発電設備が起動するまでの間ですが、停電時に瞬時に電源を供給することで、サーバー等の稼動をとめることなく稼動させるための重要な設備となります。現状は、1台あたりの容量は500kVAが標準的で、これを複数台組み合わせてサーバールーム内の電源をカバーしています。UPSは低圧用負荷装置を使用して、非常用発電機と同様の試験を実施します。
UPS
空調システムの試験
サーバールームの電源容量が拡大する中、ルーム内の熱量も増大するため空調能力の増強も進められますが、反面、省エネ上、空調システムの高機能化も同時に進められて います。
サーバールーム内の空調システムが、正しく機能するかどうかを確認するため、低圧用負荷試験装置をサーバーの模擬熱源装置として利用し、空調試験を実施しています。試験目的に合わせて最適な試験条件の検討が必要ですが、当社ではさまざまなご要望にお応えしています。